吉田のうどん①~序章~

山梨県

「吉田のうどん」を広めたい

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全国でもマイナーなうどん…

私は麺マニア

私は麺が大好きです。

一日三食、全食麺でも大丈夫です。

それこそラーメン・うどん・そば・スパゲッティーなどは言うに及ばず、

ベトナムのフォーとか、インドネシアのミーゴレンなどのエスニック系も大好きです。

あるテレビ番組で、羽生さんがフォーのことを「フー」と言っていたのは、今でも羽生ファンの中では萌えポイントとして語られています(笑)

 

麺好きな私としては、美味しい麺料理はどんどんご紹介したいところですが、

もう麺料理の紹介ブログは山ほどありますので、

さすがに私も、少し尻込みしてしまいます(苦笑)

中でもラーメンは、現在ありとあらゆるジャンルを吸収しながら

進化・深化・新化(造語)・針化(これまた造語)していってますので、

このジャンルはひとまず専門家にお任せするとして、

私はもっと地元に根ざした麺料理をご紹介していきます。

 

以前投稿したあんかけスパゲッティ考察で、

「あんかけスパゲッティ」に対する熱い思いが、ある程度ご好評頂いたので、

今回はその流れに乗っちゃおうと思った次第です(笑)

 

『吉田「の」うどん』

今回は山梨県の吉田のうどん」をご紹介します。

「吉田うどん」じゃないです。

「吉田うどん」です。

埼玉県民御用達、黄色いやじろべえの看板で有名な『山田うどん』でもないです。

山梨県富士吉田市を中心に食べられているうどんの通称で、

同地区の郷土料理のひとつとなっています。

立派な郷土料理ですので、間違っても「B級グルメ」扱いはしないであげて下さい。

もともと結婚式などのシメの料理として食べられている

「ハレの日」の行事食として根付いているものなので、

「ケの食事」(普段の食事)とは一線を画す料理となっております。

 

全国的に無名?

…この「吉田のうどん」、残念なことに全国的にほとんど知られてません。

一応「日本三大うどん」という括りがあって少し調べてみると、

この「三大うどん」には諸説あり、香川県の「讃岐うどん」、

秋田県の「稲庭うどん」に加え、残りのひとつは長崎県の「五島うどん」と

群馬県の「水沢うどん」が有力候補ですね。

ここに富山県の「氷見(ひみ)うどん」が入って五大うどんと呼ばれるようでして、

見事に三大どころか五大うどんにも「吉田のうどん」はカスリもしない(泣)

…もっと有名になってもいいと思うんだよな~。

 

麺の特徴

「吉田のうどん」の一番の特徴としてはそのうどんのコシの強さが挙げられます。

麺は太く、断面は正方形に近いものが一般的でして、めちゃめちゃ硬い食感です。

同県の郷土料理「ほうとう」とはその辺が全く違います。

普通のうどんですと、上あごや舌、唇、箸ではさんで千切ることができますが、

「吉田のうどん」ですとそれはムリです。

もうムリ。

歯で噛み切らないと食べられません。

茹でたうどんを冷たくしめた「つけ麺」みたいなメニューもありますが、

このうどんの場合はもっと硬いです。

慣れないと顎が疲れるかと思います(会社の同僚談)。

盛られた器からつけ汁に移そうとするとき箸で切れないものですから、

なかなか難儀すること請け合いです(笑)

恐らく、讃岐うどんでコシの強さに慣れている人でも驚くレベルでしょうね。

 

汁の特徴

「吉田のうどん」用の汁には、「にぼし出汁」「椎茸出汁」がよく用いられています。

醤油か味噌、もしくはその二つの合わせ味と、

それぞれのご家庭やお店によって違います。

外見上もすまし汁と味噌汁の中間といった感じになってます。

また、汁に具として、細切りや輪切りの人参や椎茸を入れることが多いですね。

ちなみに、私好みの合わせ味(醤油・味噌)は、

醤油と味噌ともに大豆から作られることから「いとこ汁」などとも呼ばれています。

実は全国的に見ても、ありそうであまりない味付けなんですよね。

そういった汁も「吉田のうどん」の特徴の一つです。

 

その他の特徴

茹でたキャベツと油揚げは、ほとんどのご家庭やお店で見られるトッピングですね。

あと最近では、豚肉に代えているお店も多いですが、

甘辛く煮付けた馬肉が入ったうどんを、

「肉うどん」と称して販売しているお店が一般的です。

馬肉に抵抗がある観光客も多いため、最近うどんに入れる「肉」は、豚肉か馬肉かを選べるところも増えてきているそうです。私は馬肉に対してなんら抵抗がないので、「吉田のうどん」では完全に伝統的な馬肉派です。

なお、茹でた麺を器にとって、

茹で汁をそのままかけた「湯もり」という食べ方もありまして、

この場合鰹節等の出汁の素を上からかけた状態で、

生醤油を回しかけて食べるのが一般的なんですけど、

実は私、この「湯もり」の存在を知っていましたが、

前述の「いとこ汁」が大好きなため、まだ一度も食したことがありません。

ごめんなさいm(_ _)m

 

あと、うどんを食べる時に付き物の薬味には、

「すりだね」と呼ばれるものが添えられます。

これは赤唐辛子をベースにして、胡麻や山椒を加えたものを油で炒めたものでして、

この「すりだね」の配合の仕方も、「吉田のうどん」各店の特徴ともなっています。

 

注文方法

また注文の仕方も独特ですね。

「吉田のうどん店」の標準的な注文伝票↓

一庵(ひとつあん)から引用

上記写真の注文伝票、実は決して「お店の人が記入するモノ」ではないのです。

あくまでも客側が自分で、鉛筆等で「自分で注文するため」の伝票なのです。

この点は、初めて「吉田のうどん」を食される方は注意して欲しい点ですね。

お店の人を呼んで注文しようとすると、いらぬ恥をかくことになります(汗)

 

「吉田のうどん」を注文する場合は、

付いた席に付属しているこの注文伝票にチェックを入れて、

お店の人に渡すという独特のスタイルになっています。

こうした注文の仕方は、中部地方中心に展開されている焼肉チェーン店

『あみやき亭』に似たオーダーシステムと言えば、

分かる人には分かっていただけるでしょうか?

このオーダーシステムを採用していない店舗も最近増えています。…ですが、この注文方法が普通だと思っていただいた方が、間違いが少ないです。

 

…このように、色々な角度から考察しても「吉田のうどん」は、

全国的な観点からも独特なものなのです。

 

私の総評

最初に申しましたが、私は「」が大好きなんですよね。

「出汁(スープ)」に関しては、その時によって重要度が変わりますが、

「麺」そのものが大好きだという基本はブレません。

この山梨で食べた「吉田のうどん」は、

私個人としましては、小麦の麺としては最高峰の出来の麺の部類に入りまして、

噛みしめるたびに小麦の薫り(かおり)を味わえる究極のうどん麺の一つなんですね。

比喩ではなく、本当に「小麦」を「噛む」のですよ。

そんな麺、他には存在しません。

もちろん、他のうどん麺の美味しさは承知してるのですが、

このうどん麺の突き抜け具合は、半端じゃありません!

パンで言えば、口当たり柔らかな食パンに対して、

ガッチガチハードなフランスパン的な味わい。

薫りの良さは、どちらが勝るかは言うまでもないかと思います。

 

私は小麦由来のうどん麺としては、

「吉田のうどん」の麺が頭抜けて美味しいと感じていますので、

こうしてオススメしている次第なのです。

西日本にお住まいの方は、麺を中心に考える「つけ麺」というジャンルに対して否定的な意見が多いというのは存じております。麺料理というものは、「出汁(スープ)」が最も重要なのだという意見ですね。…ただ、その否定的になる理由に対しての答えも、私なりに意見を持っておりますので、いずれ当ブログで語りたいと思っています。

 

もちろん他にも、馬肉の美味しさや「すりだね」による味の変化等、

「吉田のうどん」にしかない魅力をひっくるめて大好きなので、

この良さを万人に知ってもらいたいのです。

 

本題

さて、長々と「吉田のうどん」を語って参りましたが、実は訳があります。

「吉田のうどん」をネットで調べていたところ、

もう東京には無くなっていたと思われた「吉田のうどん」のお店が、

なんと私の住まいの近くで営業をしているとの情報を得たのです!

 

…これは行くしかないでしょ!!

 

ということで次回は、そのお店で食べたインプレッション記事となります。

…乞うご期待!(自分が)

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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コメント

  1. ぶりあん より:

    たしか「吉田のうどん」ってコシがあるとゆーか『堅い』と聞いた記憶がw

    でもきっと小麦本来の味がするうどんなんでしょうねーうにさんのフランスパンっていうイメージで納得いきました^^

    • うに うに より:

      そうですね、『コシ』というよりは『堅さ』ですね〜。
      その堅さが食べごたえを生み出していると思いますが、うどん界では異端視されるかも知れません(^_^;)
      ヘタすれば、「これ、火が通ってるの?」と思わせる堅さですからね。
      でもそれが美味しいんですよ(^^)