ヨーグルトの蓋……からの?

技術

日常に潜む技術

スポンサーリンク

撥水性

始まりは息子たちのヨーグルト

最近、今まで以上にヨーグルトを買うようになりました。

…というのも息子たちがよく食べるので、

気軽にタンパク質も摂取できて、これはいいなぁということで、

4パックで売られているヨーグルトをよく買うようになったのですが、

この間ふと見たら、開けた蓋にヨーグルトが付着していないのを発見したんですよ。

「あれ?!なんでだ?」

 

昔はよく付いてましたよね?剥がした蓋にヨーグルトがペターっと。

最近のヨーグルトは、蓋につかないタイプが多いんです。

わたしが昔良く買っていたのはBI◯だったので、これは蓋にヨーグルトが付くやつでした。って伏せ字になってない……。

 

この謎の蓋(?)面白そうだと思い、早速調べてみると、

本当に色々なことが分かったので記事にしてみました。

 

もうだいぶ前の技術だった…

ネットで調べてみたのですが、

結果、この技術はずい分前から知られたものでした(苦笑)

 

2015年のツイッターより↓

Oh…。2015年…。

さらに調べると森永乳業さんは、2011年10月からすでにこの蓋を採用しているらしく、

かなり出回ってから世に知られたということになりますね。

しかも、私はさらに遅れて知ったわけで、

いかに自分が漫然と生活しているのかという事を、ひどく痛感させられました…。

 

この蓋の技術の概要

森永乳業からの引用

気を取り直して、この「ヨーグルトが付かない蓋」の説明をします。

(まだ知らない方もいらっしゃるかも知れませんからね。)

 

この蓋は、東洋アルミニウム㈱さんが開発した

「TOYAL LOTUS®」という商品を使って作られています。

もともと蓮の葉っぱが、綺麗に水を弾く原理を応用した製品です。

だから商品名に「LOTUS=ロータス=蓮」という名が使われているんですね。

森永乳業からの引用

…ただ、「くっつかない蓋」というのは、

蓋をするときに容器に「くっつかない」という問題も同時にかかえるので、

この「TOYAL LOTUS®」という商品をヨーグルトの蓋として完成させるまでには、

1年という歳月がかかっています。

…なかなか簡単にはいかなかったのですね。

 

ロータス効果

蓮の葉はその表面に無数の微細な凹凸を持ってまして、

表面張力により水をはじいているのですが、

その蓮の葉が水を弾く原理を「ロータス効果」と呼び、

その原理を応用した「撥水技術」の商品は、

この「ヨーグルトの蓋」以外にも結構存在します。

その中の商品を、2つほど紹介しますね。

 

ヌレンザ

1つは「傘」ですね。

雨が降っても、水玉がコロコロ転がるように落ちていく超撥水繊維を使った傘。

その名も「ヌレンザ」と言い、福井の会社が作っています。

「ヌレンザ」とは福井の方言で、「濡れませんよ」という意味です。

この「ヌレンザ」、1本3万円以上(!)もする高級傘です。

その傘に、ロータス効果を応用した生地が使われているわけですね。

あのレクサスが、コレクションに認定してるほどの一品です。

 

「ヌレンザ」の製造会社である福井洋傘↓
大本山永平寺御用達 福井洋傘
濡れない傘、ヌレンザをはじめとするオーダーメイドの傘を販売する福井洋傘の公式サイトです。

 

コンクリート?

アート型枠(左)と塗装合板(右)の差

東洋アルミからの引用

もう一つは驚きのコンクリート。

コンクリートと言っても、そのコンクリートを形成する時に使う「枠」の方でして、

その名も「超撥水型枠 アート型枠」と言います。

このアート型枠を使って出来たコンクリートは、

コンクリートにつきものの微細な表面の穴…通称「あばた」がほとんど無く、

とても美しい仕上がりになるため、色々な現場で採用されている模様です。

 

週刊ダイヤモンドオンラインより参考記事↓
「ヨーグルトがくっつかない蓋」をコンクリートに応用した清水建設の着想
「これは応用できるかもしれない」──。2012年のある日。建設大手、清水建設の技術研究所企画部主任研究員、辻埜真人はこの...

 

撥油性?

これから多分出回るであろう技術

これまでは「撥水性」の話題を中心にお話してきましたが、

実は「撥油性」の技術が、

そろそろ皆さんの身近に現れてくるのではないかというお話で締めくくります。

 

まずはこのツイートをご覧ください。

…え?!

あのケーキの周りに付いてくるフィルムに、クリームが付かないなんて!?

 

…この技術、実は先程から名前が出てきている東洋アルミの技術でして、

その名も「トーヤル・ウルトラロータス®」と言う商品です。

トーヤル・ウルトラロータス®®(左)と従来品(右)

東洋アルミから引用

…これ、スゴイですよね。

あのフィルムをペロペロするという密かな楽しみが封印されてしまいますが(笑)

この技術によって、

  1. ケーキが綺麗に保たれる。
  2. 貼り直し可能。
  3. 食材の無駄が省ける。

というメリットが生まれます。

 

生クリームは水分よりも油分が勝る性質なので、

今までのロータス効果の「撥水性」では足りないところを補い、

油をも弾く性質のフィルムを製品化した東洋アルミさんには脱帽です。

 

現在、(コスト面のこともあるのでしょうけど)

そこまで流通しているとは思えないので、

これからこのフィルムに遭遇したら驚いて下さい。

先ほど述べたように、付いたクリームをペロペロはできませんけど(笑)

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

技術
シェアする
うにをフォローする

コメント

  1. ぶりあん より:

    そいや最近ヨーグルトのフタ舐めてないなとwww
    身近なところで科学の進歩をしらされますた^^