将棋文化検定対策④ 振り駒

将棋文化検定対策

「常識とマナー ハンドブック」より

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将棋世界付録(平成26年1月号付録)

将棋文化検定対策第四弾です。

今回は「将棋 常識とマナー ハンドブック」という、

将棋世界」という日本将棋連盟の機関誌の付録から

振り駒をご説明いたします。

すごく良い冊子なので、毎年将棋世界の新年号の付録でもいいのに…

なんて思ったりもします。

ちゃんとこうした形で、明文化されている冊子があるかないかで、

将棋の素養が大分違う気がしますから。

 

振り駒

王位戦中継Blogより引用

振り駒とは?

振り駒は、将棋の先手と後手を決める大事な儀式(?)です。

最近ネット対局だとほぼ勝手に先後が決まりますので、

ちゃんとした振り駒の行い方を知らない人が多いと思います。

リアル対局での知識の底上げも目的としているこの「将棋文化検定対策」、

上記の冊子を元にご説明させていただきます。

 

振り駒の行い方

まず駒を並べ終わった後、どちらか一方の(棋力が上の人や目上の人が一般的)

真ん中の歩の5枚両手で包み、

よく手の中で振り混ぜてから盤上または近くの平面に

一度に手を開いて軽く振り上げる形でまきます。

その結果…

」が多ければ、歩を振った人の先手となり、

」が多ければ、歩を振った人の後手となります。

この方式を「振り歩先(ふりふせん)」と呼び、振り駒の一般的な行い方になります。

なお、振った駒同士が重なったり(他の駒に重なった歩は有効

立ったりした場合は、その駒を無効として取り除き、残りの歩の数で判定します。

数は過半数である必要はなく、同数の場合は再び5枚の歩を振り直します。

 

振り駒の公平性

振り駒で先後いずれになるかの確率は、

ちょうど2分の1ずつであるとして振り駒のルールが採用されているのですが、

「羽生さんが振り駒で先手を得ることが多い」という、

羽生さんは振り駒も強い伝説」が語られたり、

瀬川晶司五段がプロ入り試験の際に5局とも後手番になってしまうなど、

振り駒が必ずしも公平ではないんじゃないか?と思われる現象が発生しています。

日本将棋連盟は、2005年7月12日以降の公式戦における振り駒の結果を

棋譜の備考欄に記録し統計をとることにしたのですが、

2005年度の結果では、統計的に大きな差はないとの結論になってます。

2005年7月12日~2006年7月11日の1年間の1541局で、

歩が多く出た局数は776(50.4%)、

と金が多く出た局数は765(49.6%)であったとのことです。

…あまり差異はないですよね。

ちなみにこの振り駒統計については、

先の記事(将棋 なんじゃこりゃ用語⑥ 投了(その1))で触れた

真部一男九段が提案し、日本将棋連盟の理事会が受理したことがきっかけです。

とりあえず振り駒の結果は「ほぼほぼ50対50」なので、

その結果にいちゃもんを付けるのはやめておきましょう(笑)

振り駒の手順を覚えておきましょう。特に、駒が重なったり立った時の判断の仕方が、意外と盲点かもしれません。実際は「なあなあ」で終わらせることが多いですからね。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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