日本将棋連盟会長
*2018年11月20日更新
佐藤康光九段
*日本将棋連盟より引用
棋士番号 | 182 |
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生年月日 | 1969年10月1日(49歳) |
出身地 | 京都府八幡市 |
師匠 | 田中魁秀九段 |
竜王戦 | 1組 |
順位戦 | A級 |
佐藤康光九段。今回は現日本将棋連盟会長の佐藤九段のご紹介です。
…今改めて調べてみると、この方も「天才」なんだと思い知らされます。
戦績を見なおしても、永世棋聖のタイトル数を含めてタイトル獲得合計13期。
タイトル一期取るだけでも別格な将棋会で、この桁外れな獲得数ですよ。
(ちなみに歴代七位の記録。)
他にも棋戦優勝11回、タイトル戦登場回数37回と凄まじい記録が並びます。
いわゆる羽生世代の一人として有名な方ですが、
羽生さんが異常すぎるので、佐藤九段の凄さは霞みがちです。
ただ羽生さんは、
「彼らがいて、競い合ってきたから、今の自分がある」
と語っていまして、
その「彼ら」の中の一人に、佐藤九段は間違いなく入ってきます。
…羽生さんをして好敵手と言わしめた佐藤九段。
いったいどんな方なのでしょうか?
「1億と3手読む」
*日本将棋連盟より引用
佐藤九段は、若い頃から深く鋭い読みを持つことから「緻密流」と呼ばれ、
一時期チェスのコンピューターが「1億手読む」とされた時代に、
その一歩先を行くであろうと「1億と3手読む」と評されたこともあります。
当初、相手の得意戦法を受けて立つ居飛車の本格派として知られていましたが、
タイトル戦にしばしば登場する30代半ばには、振り飛車を頻繁に指すようになり、
この頃から数々の新手を編み出すようになりました。
2006年には最優秀棋士賞と升田幸三賞を同時受賞もしており、
この頃から大胆な構想と独特な指し回しで、
ネット民からは「変態流」(おそらくは褒め言葉)とも言われ始めていました。
佐藤九段の今の棋風の真骨頂は、2012年の久保利明王将との王将戦ですね。
ここは普通の感覚からすると▲7七銀とか▲7八玉とかにすると思いますが、
ここで佐藤九段は驚きの▲5七玉!
前回ご紹介の木村一基九段もびっくりの、序盤での顔面受けです!
この対局で勝利した佐藤九段は、この1手を質問されたときこう答えてます。
「だいぶ騒がれましたが、あの1手は私の中では必然の1手でした。」と。
佐藤九段は、その独自の感性に裏打ちされた孤高の棋風ゆえ、
「誰も真似してくれない。」とぼやいたことがあるそうですが、
「真似できないものを生み出せるのは棋士として理想的。」と、
前会長である谷川浩司九段に評されています。
それはそのままプロ棋士の総意でもあり、
佐藤九段が尊敬され続ける所以なのでしょうね。
佐藤九段のエピソード
*日本将棋連盟より引用
佐藤九段のエピソードなのですが、
私は故村山聖九段とのエピソードが好きですね。
彼(村山九段)がA級になり東京に出てきた頃、
彼が泥酔した事があった。
私と滝先生(誠一郎七段)が彼のマンションへ運んでいったのだが車中、
ゲーゲーとやられて参った。
私の新車なのである。
しばらく匂いがとれず困ったことがあったが今となっては懐かしい。*将棋ペンクラブログより引用 一部改変
故人を偲ぶ寄稿文でゲーゲーって、なかなかないですよ(苦笑)
確かに「におい」って、記憶と密接に結びつくところがありますよね。
佐藤九段は村山九段を思い出すたびに、
車中のあの「におい」を思い出していると想像すると、かなり生々しいですね。
ちなみにこの時の佐藤九段の車は、赤いFTOだという未確認情報もありまして、
この車を選ぶあたり、すでに変態っぷりが垣間見えると感じるのは、
私だけでしょうか(笑)
佐藤九段の私生活を見てみますと、
趣味はゴルフ、特技はバイオリンと上流階級的な一面を持っていますが、
朝食は大の納豆派で、パン食のときも必ず納豆をつけるほどだそうです。
本人曰く「納豆はデザートだと思っている」とのこと(笑)
親友である先崎学九段には、甘いマスクと名前にかけて「モテ光君」と呼ばれ、
一部ファンからは「モテ」という愛称で親しまれていることも有名ですね。
そのようなほのぼのとする特徴をお持ちながら一転、
普段の将棋の研究に関しての考えとしては、
かなりストイックな姿勢で取り組んでいるみたいです。
―佐藤さんは、どのぐらい将棋に時間をかけたら「勉強」だと言うんですか。
一日に少なくとも6、7時間は盤の前に座っていないとダメでしょう。研究会を含めてもいいですけどね。
―それは毎日ですか。
もちろん、毎日ですよ。
―休みはないんですか。
休み?休みなんか要るんですか。だって勉強は労働じゃないでしょう。
*将棋ペンクラブログより引用 一部改変
…とまあ、強烈な一言が飛び出してます。
なんかやっぱり、勝負の世界のトッププロの言葉は重いですね。
これからの佐藤九段
*日本将棋連盟より引用
佐藤九段はこれまでの功績が認められ、
去年将棋会では最年少で紫綬褒章を受章されています。
加えて、去年から日本将棋連盟の会長の座に就かれ、
この加熱する将棋ブームの中、お忙しく職務を果たされていますね。
そうした対外的な活動だけでなく、
自身もA級棋士として指されているトッププレイヤーでもあるので、
ほんと見ていて大変そうですよ。
先日ツイッターで見た叡王就位式の時の写真を見ると、
だいぶ痩せられた印象ですから。
これからは特にお身体に気をつけて頂いて、
将棋ファンを惹きつける変態的魅力的な棋譜を
どんどん残していってもらいたいと願わずにはいられません。
当ブログは佐藤康光九段を応援し続けます!
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
コメント
変態紳士wの佐藤先生ですねーとてつもない鬼手を指されるイメージがあって自分がもしプロだったら特にタイトル戦とかで対戦したくない棋士の一人ですね^^谷川先生もそだったのですが会長職は激務っぽいので会長はフリークラスから選んだほうが良い気がしますw
本当に激務ですよねー。
免状への署名とか、気が遠くなりそうですし(^_^;)
佐藤九段のお身体が心配ですよ…。
佐藤先生、FTOに乗っていただと!?
私も乗っていたので、親近感が湧く
ロングテールさん、コメントありがとうございます!
先崎学九段著「フフフの歩」で佐藤九段の車が「愛車の三菱FTO」とあるので、
FTOに乗っていたのは間違いないかと思われます。
赤だったかまではわかりませんが(笑)
三菱といえばV6エンジンで、ミラージュ6にも無理やり1.8L V6エンジンをぶち込むなど、
並々ならぬ情熱をもってました。
このFTOにも200馬力の2L V6エンジンを搭載させ、
フロントヘビーながらもむりやり車を曲げさせるその心意気は、
どこか佐藤九段の棋風にも似て、すごく似合っている印象です。