それは一辺倒ではない
将棋のプロの意見
将棋好きなら一度は立ち止まって考えたい「将棋の魅力」という問いかけ。
「なんで自分は将棋が好きなんだろう?」
この問いかけの答えは、皆さん個々人それぞれにあることだと思います。
気になる記事があったので、ご紹介いたします。
プロ棋士の皆さんは、
「老若男女・国籍を問わず色々な人が楽しめる」ということが、
一番の魅力と考えている棋士がダントツに多いのですね。
まあ順当な回答でしょうか。
他には「無限の可能性」とか「わからない所」などが続きます。
毎日将棋のことを考え続けている人たちなのに、
まだまだ将棋の底が見えないということが魅力だということでしょうかね。
…なんと言いますか、
将棋の魅力を一言で表すことこそが、かなり無理があると思いますけど、
人それぞれ将棋の虜(とりこ)になる理由は違うのは当然として、
やっぱりプロとアマとでは、視点が大きく違うと思うのですよね。
「プロとアマで将棋に対する意識で大きな違いはありますか?」
「プロは好みの戦法よりも勝率面を重視、楽しむ気持ちはアマの特権です。」
高橋道夫著 メイツ出版
「これで初段になれる!将棋実力アップのコツ50」 P46〜47 一部改変
高橋道夫九段は上記の著書で、
「将棋が大好きとの気持ちはプロアマ共通ですが、
プロは将棋を仕事で指しているから、将棋に向き合う意識には、
大きな隔たりがあるのです。」
と述べております。
この言葉から、将棋を仕事にしているプロ棋士はおそらく、
「将棋の無条件な楽しさ」という魅力からは、
かなり遠く離れてしまった存在なのだろうと推測できます。
ですから「将棋の魅力」に関しては、
我々将棋ファンが大いに語ったほうが良いとおもうのです。
好き勝手将棋を楽しむ特権を与えられたのは、
他ならぬ私達アマチュア棋士なのですから。
将棋のことをあまり知らないかもしれないけれど、
そういったアマ(観る将やプロ棋士の追っかけ等含む)が将棋の魅力を語り、
身近の将棋好きを増やせば将棋人口の底上げになり、
ひいては将棋という文化が支えられていく原動力になるのではないでしょうか。
これって名著だと思うんですけど、
浦野真彦八段の「詰将棋ハンドブック」シリーズが有名すぎて、
あまり陽の目を見ないのが残念……。
確かにハンドブックシリーズも名著だけどさぁ……。
プロアマ接近
…それでは、長い前置きは終わったので、
私が好き勝手に将棋の魅力を語りますかね(笑)
私も将棋を「より普及させたい」と思っているアマの一人ですから(笑)
先ほどはプロ側からみて、アマとは将棋に対する意識に
大きな隔たりがあると述べましたが、
アマ側の私達からすると、
これほどプロに近づける環境の趣味はないと思います。
プロ主催の将棋教室。
各地で催される将棋祭り。
タイトル戦の前夜祭。
プロによる指導対局などなど…。
プロに直接会えるイベント盛りだくさん。
今は上記に加え、
AbemaTVやニコニコ動画によるインタラクティブな棋戦配信や、
各プロ棋士のツイッターによる情報発信など、
ここまでプロアマの垣根が取り払われている趣味を、私は他に知りません。
まあ将棋というコンテンツが、
PC・ネット環境と相性が良かったのもありますが、
プロ棋士側のアマチュアに対する対応の良さや、
プロ棋士それぞれの個性がクローズアップされたというのも大きいと思います。
…お陰様でめちゃめちゃ身近に感じますもん、プロ棋士が。
このようにプロを身近に感じるようになって昔にくらべ、
将棋ファンは好きなプロ棋士を見つけやすくなりましたね。
私はプロ棋士の皆さん全員好きなので節操ないのですが(汗)
もし一人でも好きなプロ棋士ができれば、
その好きなプロ棋士の棋譜を並べるということをしてほしいですね。
それが私の考える将棋の魅力の一つ、
「プロの戦いを追体験できる。」
ということだからです。
追体験可能な「棋譜並べ」
「棋譜並べ」という将棋の勉強法があります。
将棋の対局を1手目から投了までの駒の動きを「符号」で追った記録を
棋譜と呼びますが、それを実際の盤駒(やPC)で再現していくことを、
「棋譜並べ」といいます。
*棋譜並べの方法は下の記事に詳しいです。
この棋譜並べ、さきほど勉強法と述べましたが、
これこそが他の趣味にはない「プロの戦いを追体験」できる方法なのです。
どういうことかと言いますと、
どんな趣味でもトップレベルの人たちがいらっしゃいます。
将棋の場合たまたまプロがそうなんですけれども、
その技術を体感することは、実際難しいでしょう。
見聞きすることは可能でも、
「スゲー!」「…俺には無理だな。」「どうやったらできるの?」といった
一つ距離を置いた感想しか出てこないと思います。
例えばサッカーで、
リオネル・メッシのドリブルを間近で見られる幸運に恵まれて、
その結果メチャメチャ感動したとしても、
それをトレースして真似するといったことはできないんですよね。
…当たり前なんですけど。
でも将棋での棋譜並べは、プロと全く同じにトレース・再現できるんです。
これって何気にスゴイことですよ。
もちろん、その1手にたどり着いた深い読みとか大局観とかは、
相当修練を積まないとわからないことだらけでしょうけど、
私みたいなヘッポコ将棋指しでも、
憧れのプロ棋士と同じ1局を再現できるのです。
どうです?
ワクワクしませんか?
しかも何度も繰り返せますので、繰り返す度に新たな発見があります。
まるでスルメのように、
噛めば噛むほど味が出てくるんですよ、棋譜並べって。
勉強のためだけに棋譜並べするなんてもったいない(笑)
我々アマチュアは、もっと貪欲に将棋を楽しんでいいんです。
みっちー(高橋九段)のお墨付き!(笑)
自分に棋力に見合った楽しみ方ができるのがこの棋譜並べの魅力です。
こうした楽しみ方も許容する将棋が、
私は大好きですし将棋の魅力だと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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