マルチな才能を持つイケメン棋士
*2019年2月6日更新
中村太地七段
*日本将棋連盟より引用
棋士番号 | 261 |
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生年月日 | 1988年6月1日(30歳) |
出身地 | 東京都府中市 |
師匠 | (故)米長邦雄永世棋聖 |
竜王戦 | 3組 |
順位戦 | B級2組 |
*2019年2月6日現在
今回は中村太地七段を取り上げます。
去年10月に羽生善治竜王との激闘を制し、自身初タイトルである王座を獲得。
その後今年の防衛戦では、
フルセットの末、惜しくも斎藤慎太郎七段にタイトルを奪取されてしましましたが、
将棋だけにとどまらず、多方面で活躍されている中村七段。
一体どんな方なのでしょうか。
八王子将棋クラブ
*日本将棋連盟より引用
中村七段は幼稚園の頃に将棋を覚え、小学校2年生より八王子将棋クラブに通い、
小学校4年生ごろよりプロを意識するようになったそうです。
…この八王子将棋クラブ、羽生さんが幼少期に通った将棋クラブとして有名ですよね。
周りには、羽生さんを目指して将棋を始めたような子供がいっぱいいたでしょうから、
プロを意識するのは当然といえば当然でしょう。
中村七段は八王子将棋クラブで腕を磨き、
1998年第23回小学生将棋名人戦でベスト8入り、
2年後の2000年第25回の同大会では準優勝という結果を残しております。
そして同年、プロへの登竜門である奨励会試験に合格、プロ棋士への道を歩み始めます。
持ち駒ありすぎ
*日本将棋連盟より引用
中村七段は奨励会入りを果たした後、約6年でプロ入りします。
プロ入り前後の中村七段を、
端的に表した勝又六段のツイートを発見しましたので、ご紹介しておきますね。
小6で奨励会に入ってちょぴっと勉強して早稲田実業中等部に余裕で合格ハンカチ王子と同級生で高校生で棋士に主席で卒業して早稲田大学政経学部へ3年で単位を取り終え論文書いたらスカラシップC2全勝して棋聖戦も挑戦者になり長身でかっこよく持ち駒多すぎふざけるなといいたい中村太地君が表紙です
— 勝又清和 (@katsumata) June 2, 2012
140字目一杯使っての文なので(ツイッターには140字制限があります)、
句読点が無く少し読みづらいかと思いますが、
ところどころご説明しますと…
同大学の政治経済学術院奨学金(政経スカラシップ)を授与される。
…とまあ、中村七段の「持ち駒充実」ぶりを、否応なしに見せつけられます(笑)
勝又六段もよくぞ140字内に、
これだけ中村七段の情報を詰め込んだなぁという感じがしますね。
そのまま中村七段のプロフィールに使えそうな勢いです(笑)
三度目の正直
*日本将棋連盟より引用
これだけハイスペックな中村七段ですが、
こと将棋に関しては、何度かの挫折を味わっています。
前述の棋聖戦の番勝負では、羽生棋聖に三連敗。
その後の王座挑戦でも、二勝三敗で惜しくも敗退しました。
…この時の相手も羽生王座です。
実はこの時の中村七段自身は、
八王子クラブ時代からの憧れであった羽生さんに対する尊敬が邪魔をし、
本来の実力が発揮できなかったと分析しています。
「師匠からは『尊敬しすぎるな』と言われていましたし、
勝負事なので “やっつける気持ち” を持っていないといけないんですよね」みんなのごはんより引用
師匠である故・米長邦雄永世棋聖から、そうアドバイスを受けていたということで、
羽生さんに対する「尊敬しすぎる気持ち」は払拭出来たのでしょうか、
2017年には4年越しの悲願を達成。とうとう王座に上り詰めます。
…その王座を決めた時の、第4局後の涙は、未だ語りぐさになっています。
その時の棋譜を貼っておきますね。
将棋以外でも活躍
BMBB.JPより引用
中村七段は皆さんご存知の通り、その活躍の舞台をテレビにも広げ、
最近の「将棋会の顔」として色々な番組に出演されています。
NHKEテレの将棋フォーカスでは、
2015年度4月から山崎隆之八段と交代で司会を務めていたり、
NHK総合のNEWS WEBでは不定期ながらコメンテーターとしてご出演されていました。
中村七段は、小さい頃はテレビ大好きテレビっ子だったらしいので、
こういったテレビ出演も、ご本人的にも嬉しいのでしょうね。
(女優さんでは、「国仲涼子」さんがお好きらしいです。)
上記以外のテレビ番組でも、ちょくちょくお顔を拝見いたしますので、
今後も出演は増えていくことでしょう。
まあ「ひふみん」は別格として(笑)
加えてテレビ出演以外にも、中村七段は将棋普及の活動も意欲的にされていまして、
東の若手棋士の将棋普及団体である「東竜門」の中心的人物として、
積極的に将棋イベントを開催されています。
お忙しいと思われますが、
こうしたことにも尽力されている辺りにも、とても好感が持てますね。
追記。王座陥落…。
*日本将棋連盟より引用
もう皆さんご存知かと思いますが、
中村七段は先日の10月30日に、挑戦者である斎藤慎太郎七段に惜敗し、
タイトル初防衛には至りませんでした。
その対局後の中村七段のツイートがこちらになります。
王座戦最終局、負けてしまいました。序中盤で悪くしてしまい、そのままズルズルといってしまいました。
力不足でした。自分の悪いところが随所に出てしまったように思います。最後も正確に指されれば苦しそうとはいえ、勝負順を逃したのはいただけませんでした。
これで失冠となりました。(続く)
— なかむらたいち (@banibanilla) October 30, 2018
応援していただいた皆様、誠にありがとうございました。良い結果をご報告出来ず大変残念ですし、申し訳なく思います。
今は正直実感が湧かなく、虚無感等はこれからやってくるのだろうと思いますが、幸い今後も対局が続くので日々前を向いて精進したいと思います。これからもよろしくお願い致します。— なかむらたいち (@banibanilla) October 30, 2018
…中村七段の誠実さが伝わる内容でした。
しかしながらこれを読んでいた私は、
中村七段にやがて訪れるであろう王座失冠の虚無感を想像し、
本当に身震いしてしまいました。
おそらくは、
激しい勝負の世界に身を置いたものでしかわからない気持ちなのでしょうけど、
身を切られるような思いでこれからも対局を続けなくてはいけないことを考えると、
いちファンとして、どうにもたまらない気持ちになってしまいます。
実際、この記事の「王座」を「七段」に変えて書きなおさなければならない所に、
本当に寂しさを感じてしまいました。
しかし捲土重来!
中村七段は、またタイトルを取ってくれるに違いありません!
当ブログはその時まで、
いえ、その後も続けて中村太地七段を応援し続けます!
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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